CADオペレーターになるには?仕事内容や未経験から目指すときの方法を解説
手に職をつけられるCADオペレーターは、建築系で人気の職種です。
CADオペレーターになりたいけど、未経験だし就職先あるのかな?
本当に私に向いている職業かな?
CADオペレーターは、実務経験がなくてもチャレンジできる仕事です!
しかし、CADオペレーターの業務内容やスキルの身につけ方の知識がないと、就活の面談に行っても質問の受け答えに迷ってしまいます。
そこでこの記事では、CADオペレーターの詳しい業務内容をはじめ、CADの習得方法や身につけておきたいスキルを解説します。CADオペレーターへの転職を希望している方は、是非チェックしてみてください。
- CADオペレーターの仕事内容
- CADオペレーターに求められるスキル
- CADの習得方法
CADオペレーターになるには?業務内容など基礎知識
CADオペレーターへの転職を目指すにあたって、まずは基礎知識を学んでおきましょう。CADオペレーターとはどのような職業なのかしっかりと理解しておくことが大切です。
また、実際にCADオペレーターとして働くことになった時、具体的にどんな業務を行うことになるのかその内容も併せて解説します。
CADオペレーターとは
CADオペレーターとは、設計士やデザイナーが考案したデザイン・設計図を基にして、CADソフトを活用して図面を作成したり修正したりする職業です。
そもそもCADとは「Computer Aided Design」の略称であり、パソコンを使って製図を行うためのソフトウェアのことを指します。
以前は図面の作成といった製図作業は手作業で行われていましたが、CADが誕生したことでより簡単に短時間で作業を行えるようになりました。
現在ではCADは「2D CAD」と「3D CAD」の2種類に分類でき、2D CADは2次元の平面的な図面を、3D CADは3次元の立体的な図面を作成できます。
CADオペレーターはこうしたCADソフトを使いこなし、設計士やデザイナーのサポートを行います。
業務内容
CADオペレーターが日常的にどのような業務を行っているのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
- 設計者・デザイナーと打ち合わせ
- 製図・修正
- 納まりの検討
では1つ1つの業務について解説します。
設計者・デザイナーと打ち合わせ
設計者やデザイナーとの打ち合わせはCADオペレーターにとって非常に重要な業務の1つとなります。
まずは関係者と綿密な打ち合わせを行い、詳しい作業内容について把握しなければなりません。
どのような図面を作成するかで作業内容も変わってくるからです。
また、CADオペレーターはそれぞれ得意な分野があります。
自分の強みを活かすためにも依頼の内容を正確に把握する必要があります。
依頼主と打ち合わせをする際は使用ソフトに指定はあるのかや、納期はいつまでかなどをしっかりと確認し、業務について依頼主と情報を共有することが大切です。
製図・修正
CADオペレーターは設計者が作成した設計図を基にして現場で実際に使用する図面を作成しますが、この作業を製図と呼びます。
製図はCADオペレーターのメイン業務です!
図面から設計者の意図を汲み取り、かつ正確な図面を作成することが求められます。
また、製図の完了後に仕様変更などがあった場合は図面の修正作業も行うことになります。
突然の修正を要求されることもあり、状況に応じて臨機応変に対応する柔軟性も必要です。
さらに図面の進捗管理も行うことがあります。
単に製図を行うだけでなくその後の修正や管理など幅広く対応しなければなりません。
納まりの検討
建築図面の作成中、設計図の矛盾点や収まりの問題など、検証が必要になる部分も出てきます。
こうした問題点について指摘することもCADオペレーターの大事な業務の1つです。
もし設計図になんらかの問題点があれば設計者が検証できるようにしておきます。
実務では、設計が曖昧な状態で図面を描き始めることが多いです。
問題点に気付く力が求められます。
CADオペレーターは設計図を基に図面を作成する仕事ですが、指示通りに製図を行えば良いわけではありません。
問題があると判断したら注釈を入れ、設計者に報告してより良い設計図の作成を目指す必要があります。
CADオペレーターになるためのキャリアパスは?
キャリアパスとは特定のキャリアを獲得するまでの過程・道のりといった意味です。
ではCADオペレーターになるためのキャリアパスとしてはどのような方法が考えられるのでしょうか。主なキャリアパスは以下の通りです。
- 高校卒業後に建設会社・メーカーに就職
- 4年制大学などを卒業後に建設会社・メーカーに就職
- 別職種などを経て建設会社・メーカーに転職
このように最終的には建設会社・メーカーへの就職を目指すことになります。
ただし、未経験とはいえ、ある程度CADソフトが使用できなければ就職後の業務を行うことが難しくなります。
そのため事前にCADを習得し、最低限のスキルを身につけておくことが重要になってきます。
CADオペレーターになるためのCADの習得方法3つ
CADオペレーターになるにはCADを習得しなければなりませんが、どのように学習を行えば良いのでしょうか。以下の3つの習得方法が代表的です。
- スクールで学ぶ
- 職業訓練校で学ぶ
- 独学で学ぶ
上記のように学校で学ぶか、独学で学ぶか大きく2つの習得方法が挙げられます。
それぞれの方法で特徴も違ってきますので1つ1つを詳しく見ていきましょう。
スクールで学ぶ
学校に通いCADの習得を目指す方法です。
CADオペレーター講座のあるスクールは全国各地にあり、CADを使いこなすために必要な知識やスキルを1から丁寧に教えてもらえます。
わからないことは講師に質問できますし、効率よく学べるのが大きな特徴となります。
修了までにかかる時間や費用はスクールごとに違うため、事前に確認して自分に合ったスクールを見つけることが大切です。
PCスクールで、CAD講座を実施しているケースが多いです。
また、通信講座であれば学校に通う必要がなく、空き時間を利用して学習できるため忙しい方に最適です。
時間に余裕のある方はスクールに通う、お仕事などでまとまった時間を確保するのが難しい方は通信講座を活用すると良いでしょう。
職業訓練校で学ぶ
CADオペレーターになるには、職業訓練校で学ぶのも良い方法です。職業訓練校とは国や自治体が運営している施設のことで、就職に役立つ様々なスキルを指導してくれます。
雇用保険を受給しているなら公共職業訓練、受給していない場合は求職者支援訓練を受けることになります。
まずは自分がどちらの訓練を受けることになるか確認しておきましょう。
職業訓練校は基本的に受講料が無料で、テキストなど教材の費用のみで済むためスクールに通うよりも経済的な負担を抑えられるのがメリットです。
ただし、CADオペレーターの講習があるかどうかは自治体によって変わります。
自分が住んでいる地域でCADの講習があるか、チェックしてみましょう。
参照:地域毎の訓練情報(公共職業訓練(離職者訓練)関係)|厚生労働省
独学で学ぶ
書籍やインターネットを活用して独学で学ぶ方法もあります。ネット上にはCADの使い方を解説しているサイトも多く非常に便利です。
無料で使用できるCADソフトもネット上で公開されており、実際にCADを使いながら勉強できる環境が整っています。
独学のメリットは、自分の好きな時間に好きなペースで学習できることでしょう。
スクールや職業訓練校で講座を受講する場合、どうしても時間が決められてしまいますが独学ならいつでも好きな時に学べます。
ただし、独学だとわからないことがあったときに誰かに質問できないなど、深い知識を身につけられないのがデメリットです。
CADオペレーターになるために必要なスキル
CADオペレーターになるにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか。代表的なスキルは以下の4つです。
- CADソフトの使用経験
- 手がける分野の基礎知識
- 集中力・自己管理力
- コミュニケーション力
どれもCADオペレーターとして働くなら重要なスキルとなります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
CADソフトの使用経験
CADオペレーターとして働く以上、やはりCADソフトの使用経験は非常に重要なスキルです。たとえ業界未経験であっても、最低限のCADソフト使用経験は求められます。
CADソフトにはいくつかの種類があり、建築・製造・インテリアなど分野ごとに使用するCADソフトも違います。
「どの分野で働きたいのか」を考え、目標とする分野で使われているソフトを学習するのがおすすめです。
また、余裕があるなら複数のソフトを学習し使えるようになっておけば、業務ごとに最適なソフトを使い分けられるようになり、仕事の幅も広がるでしょう。
手がける分野の基礎知識
建築・製造・インテリアなど自身が手がけることになる分野の基礎知識も非常に重要です。CADオペレーターは設計者やデザイナーが考案した設計図を見て、指示に沿って図面を作成することになります。
設計者・デザイナーの意図を正確に理解する必要があり、そのためにはそれぞれの分野の基礎知識が欠かせません。
深い知識まで完璧に身につける必要はありませんが、少なくとも設計図の矛盾点やミスに気付けるだけの知識は持っていないと、正確な図面を作成することが難しくなります。
CADオペレーターへの転職を目指すのであればCADソフトの使い方に加え、目指す分野の専門用語や専門知識も学習しましょう。
集中力・自己管理力
CADオペレーターには高い集中力と自己管理力が求められます。
スケジュール通りに業務が進むように計画的に1つ1つの作業を行っていかなければならないからです。
スケジュールに遅れが出るとその後の工程にも影響を与えてしまい、多くの人に迷惑をかけてしまいます。
また、CADオペレーターの仕事は急に修正を依頼されることもあり、現在の業務と修正業務を並行して行うといったことも珍しくありません。
集中して作業しないとミスが出やすくなります。しっかりと自己管理をして、綿密なスケジュールを立てられるようになりましょう。
コミュニケーション力
CADオペレーターにとってコミュニケーション力は欠かせないスキルです。
パソコンで黙々と作業する時間が多いCADオペレーターですが、図面の作成にあたっては設計者・デザイナーといった依頼主と入念な打ち合わせをすることになります。
打ち合わせの段階で依頼主の指示を正確に理解し、お互いの認識にズレがないようにしなければなりません。
そのため、CADソフトを活用するスキルはもちろんですが、コミュニケーション力も求められます。
相手がどのようなことを望んでいるのかを汲み取り、図面として形にできることを目指しましょう。
CADオペレーターを目指すときによくある質問
CADオペレーターになるにはどうすれば良いのか考えた時、気になる点もあるのではないかと思います。ここからはCADオペレーターを目指す方が感じることの多い2つの疑問について解説します。
- 未経験からCADオペレーターになれる?
- CADオペレーターに資格は必要?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
未経験からCADオペレーターになれる?
CADオペレーターになるには、経験の有無はそれほど重要ではありません。
未経験歓迎の求人も多く、経験がなくてもチャレンジできる職業です。
現在、CADオペレーターとはまったく関係のない仕事をしているとしても、しっかり学習し準備をしておけばCADオペレーターに転職することは十分に可能といえます。
ただし、この場合の未経験は業界未経験を指すのが一般的です。
そのため、CADソフトを使用するために必要な知識など最低限のスキルは身につけておいた方が良いでしょう。
スキルがあることをアピールできれば採用のチャンスも広がります。
CADオペレーターに資格は必要?
CADオペレーターになるために資格や免許は必要ありません。
資格・免許をまったく持っていない、かつ業界未経験の人でもCADオペレーターとして働くことは可能です。
CADソフトの使用法を学習する際、資格の取得も目指すか迷うこともあると思いますが、資格取得にこだわる必要はないといえるでしょう。
ただし、実際の業務で設計者やデザイナーの意図を汲み取り、正確な図面を作成するにはある程度のスキルが求められます。
自信を持って転職活動したい方は、資格の勉強をするのはおすすめです。
CADオペレーターの資格は、取っても意味がないと言われることがあります。
本当のところはどうなのか知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
まとめ
CADオペレーターになるにはどうすれば良いのか、業務内容や学習方法、必要とされるスキルなどを見てきました。CADオペレーターは未経験からでも転職できる職業です。
ですが、業務をこなすためにはCADソフトを正しく使えるなど、一定のスキルが求められます。
具体的にどのようなスキルが必要で、スキルを身につけるためにはどのような学習方法があるのかを把握しましょう。