インタビュー
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【体験談】大手ハウスメーカーから設計事務所へ転職!思考の幅を広げたい思いが導いた新しい道

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【体験談】大手ハウスメーカーから設計事務所へ転職!思考の幅を広げたい思いが導いた新しい道
建築男子
建築男子

毎月毎月、新しい物件がきて、打ち合わせから実施設計をひたすら繰り返してる

建築女子
建築女子

もっと幅広い設計に携わりたいけど、今のままでいいのかな…

ハウスメーカーの設計職に就いている人の中には、こんな思いを抱いている方は多いのではないでしょうか。

仕事で感じるモヤモヤは、実際に転職を経験した方のリアルな声を聞くことで、解決の糸口が見つかるかもしれません!

建築CADオペ|コハク
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そこで今回、建築アンテナでは大手ハウスメーカーから設計事務所に転職し、今はやりがいを感じながら充実した毎日を送っている Hさん にお話を伺いました。

Hさんプロフィール

大手ハウスメーカーに9年間(設計6年、現場監督3年)勤務したのち、より幅広い業務を求めて設計事務所に転職し、現在3年目。
戸建て住宅からオフィス、飲食店の内装まで多岐にわたる設計・現場管理から経営に携わる業務まで担当している。

話を聞いた人:建築アンテナ編集部(インタビュー実施時期:2025年9月)

大手ハウスメーカーの中で部署異動を経験し、設計事務所へ

大手ハウスメーカーの中で部署異動を経験し、設計事務所へ
*画像はイメージです

——まずは、Hさんのこれまでのキャリアを教えていただけますか?

Hさん:大学卒業後に大手ハウスメーカーに就職して、最初の6年間は設計として100棟、その後3年間、現場監督として50棟ほど経験しました。

現在は設計事務所に転職して、ちょうど3年になります。

——ハウスメーカー内で設計から現場監督に移られた理由は何ですか?

Hさん:その当時、社内コンペに参加したのですが、現場を知ってお客様の意見を汲み取る力を身につけないともっといいプランは描けないと思い、自分から異動願いを出しました。

——そこから現場を経験されて、今の設計事務所に転職されたきっかけはあったんですか?

Hさん:9年目のタイミングで、今の設計事務所の代表と出会ったことがきっかけです。

彼はハウスメーカーで働く自分とは全く違う動き方をしていて興味が沸いて、1年間ほど仕事を見させてもらっていたんです。

住宅だけじゃなくて、店舗やオフィス、飲食系、サロン系など多岐にわたる仕事ぶりが魅力的に思えたんです。

現場監督から設計に戻ることも考えましたが、会社の外に出るのもありかなという気持ちになりました。

やりたい設計も、無理のない生活も両方手に入れた今の生活

やりたい設計も、無理のない生活も両方手に入れた今の生活
打ち合わせ用に描いた店舗の内観パース 提供:Hさん

——転職活動はされたのですか?

Hさん:はい、ビズリーチに登録して転職活動をしました。友人から教えてもらった転職サイトだったんです。

——実務経験が長いので、転職活動も苦労しなかったのでは?

Hさん:それが想像以上に大変で。自分の中では2、3社落ちたので、苦戦した印象があります。

大手の内装デザインの会社も面談まで進んだのですが、うまくいきませんでした。

——それは意外ですね。店舗設計の経験者を採用したいなどの理由があったのでしょうか。

Hさん:本当の理由は分かりませんが、面接では『住宅と商業の設計は畑が違う、その壁を越えようとするのは結構難しいかもね』という話はされました。

30歳という年齢も影響していたのかもしれません。20代はポテンシャル採用もされやすいけど、30代になるとそれまでのキャリアが重視されるので、情熱だけではいけないのかなという解釈です。

——他の企業も検討されました?

Hさん:他のハウスメーカーも受けて、そちらは割と容易に受かりそうな感覚がありました。

ただ、大きい会社になればなるほど分業化されていて、自分がもともとハウスメーカーを出ようと思った気持ちが実現できないと思い、最終的には今の事務所に入りました。

——転職はタイミングや巡り合わせもありますよね。その後、今の事務所に転職して、働き方はどう変わりましたか?

Hさん:ハウスメーカー時代も残業は多かったので、働く時間自体は今とあまり変わらないかもしれません。

ただ、仕事を分散させたりプライベートの都合にあわせて休みを取るなど、調整が自由にできるようになったことで、ストレスは大きく減りました。

家族と過ごす時間や友達と遊びに行く時間も取りやすくなり、仕事と生活のバランスがとれて、より良い方向に向かっていると感じます。

20坪程度の店舗から大規模オフィスまで。幅広い設計を手がける

20坪程度の店舗から大規模オフィスまで。幅広い設計を手がける
※画像はイメージです

——現在の設計事務所での業務内容を、詳しく教えてください

Hさん:今は、私ともう1人の2人で運営している小規模の設計事務所です。

テナントやオフィス、住宅などの、設計監理と会社運営にも関わっています。事務所をどう成長させていくかなど、経営的な視点でも考える立場です。

業務の流れとしては、お客様との打ち合わせからスタートして、内装の提案も行い、設計、現場管理、引き渡しまでを一貫して担当しています。

また、案件の規模によって進め方も違います。たとえば、20〜30坪ほどの飲食店の案件なら、自分ひとりで完結してます。

一方で、昨年手がけたワンフロアが200㎡を超える6階建てのオフィスといった大規模案件では、外部の現場監督や設計補助を外注し、チーム体制で進めました。

飲食店の場合は、厨房や設備関係の設計も必要になるので、細かな部分は空調設計もできる協力会社と連携して進めています。

私がマスタープランを作り、そのプランに対して各専門業者からアドバイスをもらいながら進行していく形です。

——とてもやりがいがありそうですね。給与の仕組みも変わったのでしょうか?

Hさん:そうですね。ハウスメーカー時代はポジションごとに給料が決まっていて、支店の売上が高くても低くても毎月同じ額でした。

今は会社全体の売上に連動する形です。売上の状況によって増減があります。

ハウスメーカーとは違う「マニュアルのない世界」で自分なりの答えを探す

ハウスメーカーとは違う「マニュアルのない世界」で自分なりの答えを探す
現在、内装でよく使用しているマテリアル 提供:Hさん

——ハウスメーカーと設計事務所だと、業務の幅が全く違うと思いますが、そのギャップはどう乗り越えたのでしょうか?

Hさん:実は転職してからの1年間は、自分の知識不足に気づかされました。

外に出て、改めて勉強して設計の引き出しを増やさないとな、と。

自分が理想とする仕上がりを実現するためには、想像以上に幅広い知識が求められることを実感したんです。

使用するマテリアルや細かい納まりなどもマニュアル化されていないので、調べ物をしたり、実際に建築現場を見に行く機会が増えました。

乗り越えたというよりは、好きでやっているので知識を増やしていくうちに辛い部分が徐々に減って、楽しい部分が増えた感覚です。

——今の職場で、とても充実してお仕事されていそうですね。今後のキャリアプランはどのようなイメージですか?

Hさん:今の設計事務所を大きくしていきたいと思っています。主軸は設計事務所として、飲食業の事業もやり始めたんです。

内装にもこだわったショールームのような店舗を構えました。居心地の良いカフェバーのような雰囲気で、地域の人や仲間が集まれる場所を目指しています。

ハウスメーカーの建築設計や転職したい方へアドバイス

ハウスメーカーの建築設計や転職したい方へアドバイス
※画像はイメージです

——今、ハウスメーカーで働いていてデザインの面で実現できないことがあるとモヤモヤを抱えている人がいると思います。アドバイスするなら?

Hさん:振り返ってみると、ハウスメーカーだからといって仕上がりや納まりに関することで、実はできないことはそんなになかったんです。

当時は、無理だと自分で勝手に思い込んでいた節がありました。

メーカーによって差はあると思いますが、構造部材や外壁は自社部材をしなければならなくても、扉や壁、素材などは自由な面もきっとあるんじゃないかと。

かっこいい材料を1つでも採用してみるとか、1物件に1個ずつでも新しいことを試していくと、自分の設計のスタイルが決まってきて、より楽しめると思います。

——つい、ハウスメーカーにいると、マニュアルマニュアルになりがちですよね。仕事量に追われちゃったり。

Hさん:忙しさもありますよね。1つひとつをじっくり考える余裕がないこともあると思います。

私も月に3〜4棟のペースで打ち合わせ・図面作成・発注を繰り返していたので。

——私も、振り返ってみると本当はもっと幅広い提案や工夫ができたんだろうなと思います。設計職で転職を考えている人にアドバイスいただけますか?

Hさん:将来どんな生活をしていきたいのかを考えながら転職活動したほうが、いろいろ考えられるんじゃないでしょうか。

すごくシンプルに『海沿いに家を建てて、ビーチを散歩する』とか、ざっくりしたイメージでも全然いいんです。

——たしかに。どう働きたいかの前に、どう毎日を過ごしたいかという、そもそも何のために仕事をするのかの部分までつながりそうですね。

Hさん:そうですね。ついつい転職というと、残業とか休みの取りやすさの面で転職先を調べがちです。

特に理系だと今と同じ業種を選ぶことになって、幅が狭くなったり。福利厚生も大切だけれど、それだけじゃない気がしています。

どうやったら自分の人生が豊かになるかを考えてみると、リラックスして考えられると思います。

——本当にそうですね。自分が何を求めているか、どんな働き方が合うかも見えてきそうです。本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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コハク
コハク
フリーランス建築CADオペ
ハウスメーカーの建築士→設備設計補助→建築CADオペレーターとして独立。 働き方を模索する中で、たくさん悩んで行動したことが今の仕事にもつながっています。後輩の転職相談に乗った経験も多数あります。
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