インタビュー

【体験談】建築学部以外からゼネコンに就職!施工管理の仕事の魅力を聞いてみた

kohaku
建築男子
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建築学科じゃないけど、施工管理の仕事に興味がある

建築男子
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未経験でもゼネコンに就職できるのかな?

建築系の学部を専攻していないと、就職や転職ができるのか不安に思うこともあるかもしれません。

実際には、不安に思うことはなくて、他学部から建築系の企業に就職する人はたくさんいます!

建築CADオペ|コハク
建築CADオペ|コハク

けれど、具体的にどのように建築系の職種でのキャリアをスタートできるのか疑問に思うこともあるでしょう。

そこで今回、建築アンテナでは建築以外の学部から施工管理職に就職したつむさんに話を伺いました。 

未経験から建築業界に飛び込んだリアルな体験談を、ぜひご覧ください。

つむさん (20代前半)プロフィール

スポーツ推薦で地方大学に進学し、福祉系の学部を卒業。
大学時代に建設会社で3年半アルバイトを経験し、施工管理の面白さに目覚める。
卒業後、アルバイトのつながりで地場ゼネコンに就職し、現在2年目。
新築工事の施工管理を担当しながら、一級建築施工管理技士の取得を目指している。

※本記事で使用している画像はイメージです。
話を聞いた人:建築アンテナ編集部(インタビュー実施時期:2025年11月)

大学時代のアルバイトがきっかけで施工管理職を目指すように

──どのようなきっかけで建築業界に興味を持つようになったんですか?

つむさん:大学はスポーツ推薦で福祉系の学部に入学しました。そこで知り合った方がたまたま建設会社の社長で、声をかけてもらったのをきっかけにアルバイトを始めたんです。

大学1年から4年にかけての約3年半、現場監督の補助として施工管理の仕事を経験しました。

──学生のうちから、かなり実践的な経験を積まれたんですね。この仕事のどんなところに魅力を感じましたか?

つむさん: 自分が思い描いた形で現場を進められる、元請けとしての楽しさです。

自分で計画したことに対して、現場の作業者を引っ張っていく感覚が新鮮で。

 一人の会社員として、これだけ裁量がある職種は珍しいと思います。

それと、建築業界独特の雰囲気や他の業種にはない感覚にも惹かれました。

──就職活動はどのように進められましたか?

つむさん: アルバイト先では集合住宅の大規模修繕や小中学校の外壁改修など、改修工事がメインだったのですが、次第に新築工事に興味を持つようになりました。 

そのときに、アルバイト先で人と人のつながり、ご縁という形で今のゼネコンを紹介してくれたんです。  

年間売上は約100億円弱、従業員は約50人程度で営業エリアも広い企業です。

アルバイト先とゼネコンのどちらに就職するかとても迷いましたが、新築工事ができる環境に魅力を感じてゼネコンへの就職に決めました。

新築工事の図面の細かさに戸惑った入社当初

画像提供:つむさん

──実際に入社されてから苦労したことはありました?

つむさん: 改修工事と新築工事では、図面の細かさが全く違います。

改修工事は既存建物に対して工事を行うため、細かな納まりをそれほど気にせずに済む場面もありました。

けれど、新築工事ではサッシの取り合いなど、さまざまな場面で細かな検討が必要になってきます。

入社した当時は、しっかり図面を読んだつもりでも、その通りに施工されているかとても不安でした。

──CADの使い方は、入社してから覚えたんですか?

つむさん: いいえ。アルバイトの頃からJw_cadで図面を描いていたので、入社時点で基本操作は問題ありませんでした。

今は図面作成に加えて、安全管理・原価管理・工程管理まで、幅広く担当しています。

社内にCADオペレーターもいますが、設計図を読み解き、基礎伏図などの施工図を作成する作業は自分が担うことが多いです。

現場でそのまま使う施工図は、自分で作成して分かりやすく伝えるようにしています。

施工管理職にはお客さまの「スタート」をつくる喜びがある

──今の職場では、どんな建物を担当されているんですか?

つむさん: 今は、ショールームやサービス工場を併設する自動車のディーラーを主に担当しています。

会社自体は、集合住宅や工場の新築、老人ホームの改修なども手がけています。

──施工管理の仕事のやりがいを教えていただけますか?

つむさん: 一番実感するのは、足場が外れた瞬間です。

たとえ8~9割工事が終わっていても、足場があるうちはまだ未完成だという感じがするんです。

足場の解体が終わって建物がライトアップされた姿を見ると「やっててよかった」と心から思います。

自分たちにとっては施工完了ですが、お客さまにとってはこれから営業が始まります。

新しいスタートラインの場をつくれることに、醍醐味を感じます。

──逆に、大変な部分はありますか?

つむさん: 職人と直属の上司、そしてお客さまの間で板挟みになることが一番大変です。

 職人の言い分をそのまま通してはいけない部分も出てきます。

上司やお客さまの要望を現場に落とし込み、納得して動いてもらうまでの調整と交渉に、苦労することも多いです。

──待遇面についても、差し支えない範囲で教えていただけますか?

つむさん: 残業はありますが、年収は550万円くらいです。追い込みの時期は残業時間が増えてしまうのですが、その分の手当はついています。

──建設業界も働き方改革が進んでいますが、まだ残業は多い状況なんですね。

今後の目標と建築業界を目指す人にアドバイス

──今後の目標を教えていただけますか?

つむさん: 建築施工管理技士の資格を取得することです。今は二級建築施工管理技士の第一次試験に合格している状況です。 

専門学科以外の学部卒業の為、1年半という実務経験の条件を満たせたら二次試験を受けて、その後は一級建築施工管理技士に挑戦したいと考えています。

取得して、より大きなゼネコンにキャリアアップできればと思っています。 実務が重宝される業界なので、経験を積みながら成長していきたいですね。

建築施工管理技士は、建設業法に基づき建築工事の工程・品質・安全・原価などの管理能力を認定する国家資格で、一級と二級がある。

二級の第一次試験は17歳以上であれば誰でも受検でき、第二次試験は一次試験の合格後、実務経験3年以上で受検可能。
一級の第二次試験は、さらに実務経験を5年以上積むと受検資格が得られる。

参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省

──これから建築業界で働きたいと考えている方に、アドバイスをいただけますか?

つむさん:施工管理の仕事は、職人、上司、お客さまなど、人と関わることが圧倒的に多くて、コミュニケーション能力が試される仕事です。

仕事ができる・できないに関わらず、コミュニケーションをとって人間関係を良くしていきながら、若いうちは可愛がられる後輩になるといいんじゃないかなと感じています。 

先輩にいろいろ教えてもらえると良いと思います。

──最後に、他の学部から施工管理を目指す方に向けてメッセージをいただけますか?

つむさん: 施工管理の仕事は、建築学科じゃないからといって諦める必要は全くないです。

確かに最初は図面の細かさとか、専門的なことに不安はありましたが、コミュニケーション能力と学ぶ姿勢があれば十分やっていけます。

学生時代にすべての仕事内容を100%理解することはおそらく不可能なので、働いていく中で培っていけばいいと思います。

人と関わることが好きで、現場で学ぶ意欲がある人なら、きっと楽しめる仕事です。 

──お話を伺っていて、つむさんの仕事への情熱が伝わってきて、いきいきと働いている姿が目に浮かぶようでした!

他の学部から建築業界で働きたいと考えている方にとって、大きな励みになる貴重なお話が聞けて嬉しかったです。

ありがとうございました。これからのつむさんの活躍を応援しています!

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コハク
コハク
フリーランス建築CADオペ
ハウスメーカーで建築士として勤務した後、設備設計の補助業務を経て、建築CADオペレーター兼フリーライターとして独立しました。 現在は、住宅関連のWebメディアで編集や記事執筆を行っています。 自身のメディアでは、建築業界で働く人の転職体験インタビューにも力を入れて発信しています。
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