一級建築士の試験におすすめの時間管理術とグッズ4選!2025年度【合格者】Namiさんおすすめ

仕事が終わる頃には、勉強する時間も気力も残ってない…。働きながら合格した人は、どうやって勉強時間を確保しているんだろう

製図の道具って種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない…
働きながら一級建築士試験の合格を目指すうえで、大きな課題となるのが勉強時間の確保です。
また、製図試験では、使用する道具によって作図のしやすさやスピードも変わります。限られた時間を有効に使い、自分に合った道具を選ぶには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
そこで今回、建築アンテナでは、働きながら2025年度の一級建築士試験に合格したNamiさんに、実践した時間管理術とおすすめの製図グッズを伺いました!

Namiさんの合格したあとの仕事や心境の変化、今後の目標のお話も盛り込んでいますので、ぜひご覧ください。
話を聞いた人:建築アンテナ編集部(インタビュー実施時期:2026年7月)

Nami さん(20代) プロフィール
- 2023年に大学(建築学部)を卒業後、新卒でハウスメーカーの設計部に入社
- 不動産業界での勤務や休職期間を経たのち、独立して個人事業主に
- その後一級建築士に挑戦し、学科は2024年、製図は2025年に合格
- 現在は内装・インテリアデザインを中心に、パース作成やWebデザインも手がける
学生時代に勉強を始め、働きながら掴んだ一級建築士の合格

――一級建築士の受験を決めたきっかけを教えてください。
Nami:大学3年の秋にハウスメーカーから内定をいただき、この業界で働き続けるなら、いずれ建築士の資格が必要になると考えました。それなら最初から一級を目指そうと思い、大学4年の春ごろから勉強を始めたんです。
学生のうちは卒業制作と並行して試験勉強を進め、大学卒業後に初めて学科試験を受験しました。
――合格までには、どのような経緯がありましたか?
Nami:学科試験は2回受験し、入社後の2024年に合格しました。その年に受けた製図試験は不合格でしたが、翌2025年に再挑戦して合格できました。
仕事と受験勉強を両立するなかでは、勉強時間をどう確保するかが大きな課題でした。
――資格学校には通いましたか?
Nami:日建学院に通っていました。学科試験と製図試験の両方を受講し、製図は1年目と2年目ともに通いました。
一人で勉強していると気持ちが折れそうになることもあったので、わからないことをすぐに質問できる環境は心強かったです。資格学校で出会った友人と一緒に合格できたことも、大きな支えになりました。
一級建築士試験におすすめの時間管理術4つのポイント

1.平日と休日でメリハリをつける
――学生時代と社会人になってからでは、勉強時間に違いはありましたか?
Nami:学生の頃はまだ期間に余裕があったので、追い込みすぎるのも良くないなと思い、勉強時間は平日2時間・休日3時間ぐらいにしていました。
社会人になってからの勉強時間は、平日4時間、休日は多い日で8時間ぐらいです。
やはり仕事があると平日はどうしても時間が限られるので、その分、休日にまとめて勉強時間をとっていました。
2.移動中や入浴中のスキマ時間を活用する

――働きながらの時間確保で、工夫していたことはありますか?
Nami:スキマ時間を徹底的に活用していました。電車の移動中やお風呂に入っているときに携帯のアプリで問題集をやったり。
無駄な時間をいかに減らすかを意識していました。
――日常のちょっとした時間をうまく活用して、アウトプットの練習をしていたんですね。どんなアプリを使っていたんですか?
Nami:学科試験前はWordHolicというアプリを使って数値の暗記や計画の実例問題を単語帳のように使っていました。
製図試験前はタスク管理ツールNotion(ノーション)上に、記述内容をまとめていました。

3.スクリーンタイムで無駄な時間を可視化する
――時間管理のコツを教えてください。
Nami:携帯のスクリーンタイムで管理するのがおすすめです。自分がどのアプリにどれくらい時間を使ったかを見て、Instagramとか娯楽に使いすぎていないかをチェックしていました。
4.勉強時間は手帳に記録する
Nami:新卒で入社した会社をきっかけに使い始めた手帳に、スケジュールと一緒に勉強時間も記録していました。
――取り組んだ時間が目に見えると、継続するモチベーションにもつながりそうですね。
一級建築士試験におすすめのグッズ4選

――「これを使ってよかった」と思うおすすめの道具を教えてください。
①三角定規:バンコの三角定規
Nami:バンコの三角定規がすごくよかったです。黒い取っ手がついていて回転しやすく、テンプレートも一体になっています。使っている人も多くいました。
②タイマー:光で知らせる学習タイマー
Nami:音が鳴らずに光で教えてくれる、カウントダウンできるタイプを使っていました。学科試験の勉強や製図の時間配分に役立ちました。
③シャーペン:HEDERA シャープペン 0.5
Nami:筆記用具にはそこまでこだわりはなかったんですけど、モチベーション維持のために、かわいいと思えるデザインのものを使っていました。
④計算機:HEDERA 電卓(TSUTAYAオリジナル)
Nami:HIDERAのシャープペンを使っていたので、白で揃えたいと思い、購入しました。
一級建築士の学科試験・製図試験で苦労したことと克服法

学科試験:苦手科目を見極め、丸暗記から理解へ切り替える
――科目ごとの得意不得意や、勉強するときに意識していたことを教えてください。
Nami:苦手だったのは構造の力学です。一級建築士試験では、最初に5、6問ほど計算問題が出るんですけど、それが難しくて。資格学校で仲良くなった構造が得意な友人に、わからないところを教えてもらっていました。
また、正答率が20%ほどの難しい問題は深追いせず、解ける問題を確実に取ることを意識していました。
反対に、得意だったのは計画です。暗記が得意で、建築物について覚えることも好きだったので。
施工も数値を覚えることはできましたが、現場のイメージがなかなか湧かなかった点は少し苦労しました。
法規は、1年目に問題文や答えをそのまま覚えてしまい、出題の仕方が変わると対応できなかったんです。そこで2年目は「なぜこの答えになるのか」まで理解することを意識しました。
過去問は各科目10周ほど解きましたが、答えを覚えるだけではなく、繰り返し解きながら考え方を身につけるようにしていました。
最近は新規問題も多いとのことで、過去問の丸暗記ではなく内容を理解して応用できる力が大切だと思います。
製図試験:エスキスを繰り返して精度を高める
――製図はどこがいちばん苦労しましたか?
Nami:最初のエスキスです。課題文を読み取り、計画を組み立てるところです。
そのときは合っていると思って進めていても、あとから振り返ると、無駄なことをしていたり、計算を間違えていたりすることがありました。
克服するために、過去の課題の中で、エスキスだけをもう一度やり直しました。
同じ課題を繰り返し取り組むと、最初は気づかなかったミスや、より効率よく進められる部分が見えてきます。
――製図の試験時間は6時間ですが、時間配分はどうでした?
Nami:読み取りとエスキスで2時間ちょっと、記述で1時間ぐらい、製図は2時間半くらいで書き上げられるようになりました。残りの時間はチェックです。
本番はチェックの時間が1時間ぐらい取れました。
――製図は2回目での合格でしたが、1年目と2年目で手応えの違いはありましたか?
Nami:全然違いました。1年目は二級建築士の製図試験を受けた経験もなく、作図のスピードが遅いうえに、エスキスの進め方も十分に理解できていなかったと思います。
学科試験の合格から製図試験までは3か月ないくらいだったので、準備が足りないまま本番を迎えた部分もあります。
2年目は学科試験がないことで製図の勉強に集中できましたし、作図のスピードが1年目より上がっていたと思います。
ハウスメーカー勤務から独立へ。一級建築士取得を目指した歩み

――合格してから、気持ちの面で変化はありましたか?
Nami:やはり合格したことで、自信がすごくつきました。難しい試験だったので「あれを乗り越えたんだから、他の資格にも挑戦できるかも」という気持ちにもつながっています。
また、資格を取得したことで、周囲からの評価も変わったと感じています。
――今のお仕事について伺ってもいいですか?
Nami:新卒で入社した会社を退職後、不動産業界での勤務や休職期間を経て、現在は個人事業主として働いています。
内装・インテリアデザインを中心に、パース作成やCAD図面のトレース、Webデザインなどを請け負っています。一級建築士試験には合格しており、現在は免許登録の手続きを進めています。
――最初のお仕事はどうやって見つけたんですか?
Nami:Indeedで見つけた業務委託の求人に応募したのが最初でした。ハウスメーカーでCADオペレーターや建築事務として、図面・書類の修正や提出準備、プレゼン資料の作成などを担当し、受注が決まったタイミングで開業届を提出しました。
会社員時代の経験もあったので、比較的スムーズに仕事を始めることができました。最近では、SNSをきっかけにご相談をいただくことも増え、パース作成や内装・インテリアデザインなどのご依頼も受けています。
――正社員のときと比べて、働き方はどうですか?
Nami:今は、自分で働く時間や仕事の進め方を決められて自由だと感じています。ただ、基本的に家にいるので、外出や運動の機会が減り、人と会う機会も少なくなりました。
今後は、打ち合わせなどで、人と直接関わる機会も増やしていけたらなと思っています。
一級建築士に合格したNamiさんの今後の目標

――今後はどんな風にお仕事をしていきたいですか?
Nami:今後は必要な実務経験を積み、管理建築士となるための要件を満たしたうえで、自分の設計事務所を開設したいと考えています。
設計の仕事だけでなく、民泊や旅館など、建物を活用した宿泊事業にも興味があります。将来は自ら物件を購入してリノベーションを行い、宿泊施設の運営にも挑戦したいです。
実は今年(2026年10月)、宅地建物取引士試験の受験も予定しています。
一級建築士試験を経験したことで、「宅建にも挑戦できそうだ」という気持ちになりました。
もともとコツコツ勉強を続けることは苦にならないので、少しずつでも継続すれば合格を目指せると考えています。
――最後に、これから一級建築士を目指す方へアドバイスをお願いします。
Nami:一級建築士試験は難易度が高い試験なので、心が折れてしまうこともあると思います。
それでも、合格後は周囲からの評価が変わり、自分にも大きな自信がつきました。
「取得してよかったな」とすごく思います。限られた時間を上手に使いながら、諦めずに合格を目指してほしいです。
――勉強時間の確保から製図道具の選び方まで、これから受験する方がすぐに取り入れられる工夫を伺えました。本日は、貴重な体験をお聞かせいただき、ありがとうございました。




