建築士の平均年収は637万円!年収アップを目指す7つの方法
今の給料は、建築士の平均よりも高い?低い?
もっと年収が増える働き方はある?
建築設計の仕事をしていると、自分の給料は平均と比べてどうなのか気になることはありませんか。
もっと給料が上がる働き方があるなら、転職したいと考えている方もいるかもしれません。
今回は、建築士の年収を、業種や企業規模別などさまざまな角度から深掘りしていきます!
転職活動中の建築士の方や、年収アップを目指している方はぜひご覧ください。
- 建築士の平均年収
- 建築士の勤務先ごとの年収の違い
- 建築士が年収アップを目指す7つの方法
建築士の平均年収は637万円
厚生労働省のデータ1によると、建築士の平均年収は約637万円です。
国税庁による国民の平均年収は458万円2であるため、それよりも建築士は178万円も平均年収が高いことわかります。
建築士は国家資格で専門知識や技術が求められる職業であるため、平均値もそれに応じて高いことが窺えます。
でもそれって、二級だとか、年齢や性別を考慮してないよね?
ズバリその通り!というわけで、建築士の年収をもう少し細かく掘り下げていきます!
- 【企業規模別】平均年収
- 【男女別】平均年収
- 【初任給】初任給
- 【年齢別】平均年収
それぞれ、詳しく解説します。
(※1)出典:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
(※2)出典:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
【企業規模別】平均年収
建築士の平均年収は、企業規模が大きくなるにつれて高くなっています。
大企業では、オフィスビルや商業施設といったより大きな建築設計に関わる機会があるため、給料が高く設定されているケースも少なくありません。
建築士の給料は、勤務する会社によって差があることがわかります。
【年齢別】平均年収
次に、年齢による違いに着目していきます。
建築士の年代別の平均年収をみると、20代では384万円、30代になると638万円、40代で721万円と、年齢につれて平均年収も上がっていることが分かります。
前述した通り、勤務先によって違いはありますが、全体の平均としては勤務年数が長くなるほど年収が上がる可能性があると言えそうです。
個人的には、70代の統計がしっかり取られていることに驚きました!
建築士は、年齢を経ても続けられる職業ですね。
【男女別】平均年収
男女別の建築士の平均年収は、上記のグラフの通りです。
女性建築士と男性建築士の年収の差をみてみると、年代によって大きく異なることがわかります。
20代では、男女の差はほとんどありませんが、30代で126万円、40代では160万円と徐々に大きくなっていきます。
女性の場合は、結婚や出産などライフステージの変化に伴い、働き方が変わることも関係していることが分かります。
けれど、国税庁の調査によると、30代女性の平均年収は383万円、女性建築士の30代の平均年収が447万円ですから、差は64万円。
女性建築士の年収は、男性と比べると低いですが、女性全体の平均年収よりは高いことが窺えます。
一級建築士・二級建築士の年収
「一級建築士は勝ち組」と言われるけど、資格も年収に関係するの?
というわけで、資格別の年収も気になるところです。
省庁が公表しているデータでは、資格ごとの年収は公表されていませんが、転職の求人情報データからみる平均年収を紹介します。
一級建築士の平均年収は約600万円〜700万円
一級建築士の平均年収は、一般的に約600万〜700万円と言われます。
一級建築士は、建物の設計だけでなく、構造計算や法規に関する知識も求められるため、より複雑な案件を任されることが多いです。
責任の重さや専門性の高さが評価されるため、年収は高い傾向にあります。
やっぱり、1級建築士取ると強みになりますね。
将来的には管理建築士のポジションを目指すこともできるため、資格を持っていること確実に有利です。
また、企業の規模や担当する建物の種類によっても年収は大きく変わります。
管理職に昇進した場合には、さらに高収入が期待できそうです。
二級建築士の平均年収は約450万円〜550万円
二級建築士の平均年収は、一級建築士に比べるとやや低い水準です。
二級建築士は、主に住宅や小規模な建築物の設計を担うことが多く、一級建築士のような高度な専門知識が必ずしも求められるとは限りません。
年収も仕事内容に応じて一級建築士よりは低めに設定されています。
しかし、二級建築士も国家資格ですから、他の職業と比較すると年収は高めです。
私も、転職活動中には二級建築士を持っていることが有利に働いたので、取っておいてよかったと感じました。
建築士が年収アップを目指す7つの手段
ここでは、建築士が年収アップを目指す手段として、以下の7つを紹介します。
- ハウスメーカーの営業設計職で成果を出す
- 今の職場で経験を積む
- 資格を取得する
- 独立して設計事務所を開業する
- 大手ゼネコンに転職する
- 大手の組織系設計事務所に転職する
- 公務員の建築職を目指す
それぞれ、詳しく解説します。
1.ハウスメーカーの営業設計職で成果を出す
ハウスメーカーが手掛けるのは一般的に戸建て住宅で、設計や技術開発が主な業務です。
また、展示場や分譲、賃貸住宅などを担当することもあるため、ハウスメーカーではさまざまな住宅の設計に携わることができます。
ハウスメーカーの中でも、特に高い収入が見込める働き方は、営業設計か管理職です。
私のいたハウスメーカーでは営業設計には報奨金がつくため、稼いでいる先輩たちをみていました。間違いなく花形です!
大手ハウスメーカーは給料体制や福利厚生も充実している傾向にあるため、業務経験を積むことで、昇進していくという道も目指せる職場です。
ハウスメーカーへの転職を目指すなら、建築転職で求人情報を検索してみてください。
建築転職は、職務経験や希望条件にあった求人を紹介してくれる転職エージェントです。
非公開情報も多く取り扱っているため、効率よく求人情報を探せますよ。
2.今の職場で経験を積む
建築士が年収アップを目指すなら、今の職場で経験を積んでいくという方法があります。
着実で堅実な方法ですね!資格取得とも並行できるかも。
今の職場での経験を重ね、スキルを向上させることで、収入アップにつながる可能性があります。
幅広い業務を任されるようになることで、社内での評価が高まる可能性が高いです。
経験を重ねていくと、役職に就いたり、プロジェクトのリーダーとして抜擢される機会が増えることも考えられます。
3.資格を取得する
建築士が年収アップを目指すなら、今持っている建築士の資格よりも上位の資格を取得するという方法があります。
二級建築士や木造建築士の資格を持っている方が高収入を目指すなら、一級建築士の資格を目指すのがおすすめです。
既に一級建築士の資格がある人で、さらに5年以上の実務経験がある方は、講習を受けて構造設計一級建築士や設備設計一級建築士の資格を取得するのも方法の1つです。
資格を持っていると手当がつく会社も多いため、取得した時点で昇給が実現するケースもあります。
自分の会社で資格手当があるかは、就業規則や給与規定を確認してみましょう。
4.独立して設計事務所を開業する
建築士として独立し、建築設計事務所を運営するという方法があります。
受ける仕事も報酬も自分の裁量で決められるため、自由度が高く、やり方次第では高収入が見込めます。
独立するには、まず建設会社や組織系設計事務所で経験を積み、スキルや人脈を築いた後に独立するのが一般的なキャリアパスです。
アトリエ系の建築事務所に勤めていた方が、その後アトリエ系の設計事務所を開業する、というケースも多くみますので、独立を見据えた就職先を探す必要がありそうです。
5.大手ゼネコンに転職する
建設会社では、建物の計画、設計、工事を一貫して担当し、完成までの全工程を管理することが主な業務です。
大規模な建設会社はゼネコンと呼ばれ、注目を集めるような大規模プロジェクトを扱うことが多いです。
代表的な日本の大手ゼネコンには、鹿島建設や大成建設などがあります。
給与や福利厚生が充実している場合が多く、リーダーシップやプロジェクトマネジメントのスキルを磨くことが求められます。
大手ゼネコンで大規模なプロジェクトを担当するスキルを積めば、高収入を期待できます。
ただし、中途採用の枠は限られていることもあり、間口はそう広くありません。
転職しやすいかどうかは、転職市場をよくみてタイミングを見計らう必要がありそうです。
運良く求人情報をみつけたときには、機会を逃さず応募するのがよいかもしれません。
長期的に求人をチェックするなど、転職に向けての戦略を練る必要がありそうです。
6.大手の組織系設計事務所に転職する
建築設計事務所では、建物の設計図作成、工事の全体監督、そして建築工事契約に関連する書類作成や手続きなどを担当します。
特に規模の大きな事務所は組織系建築設計事務所と呼ばれ、日建設計や梓設計などが代表的な例です。
大手の組織系事務所も大規模な建築を手掛けているため、高い収入を得るチャンスもあります。
大手ゼネコンと同様、中途採用枠が限られているため、求人をみつけられるかどうかは転職活動を始める時期にも左右されます。
建築士が転職時期を見極めるにはタイミングも重要です。
転職のタイミングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
7.公務員の建築職を目指す
年収アップを狙うには、公務員の建築職を目指すのも方法の1つです。
公務員の建築士は、県庁や市役所などで都市計画や施設の安全管理などを担当します。
建築の仕事をしている人にとっては、建築指導課の職員さんたちが、一番身近な存在だということもあるでしょう。
建築士としての知識を活かしつつ、安定した休日や給与を得ながら働けるという特徴があります。
公務員の建築職は建築指導課以外にも、公共事業や都市計画の業務を担う業務があります。
一般企業のように業績によって年収が変わることはありませんが、福利厚生も整ってるため基本的には年齢に応じて年収が上がります。
ただし、公務員になるには受検資格を満たした上で、公務員試験を受けなければなりません。
自治体により応募条件は異なりますが、一般的には35歳以下や建築士・施工管理技士資格保有などと定められています。
受検時期も年1回と限られているため、転職は計画的に進める必要がありそうです。
建築士が年収アップするには転職が近道
今回は、建築士の年収をさまざまな角度からみてきました。
- 建築士の平均年収は637万円
- 会社の規模によって年収には差がある
- 一級建築士の平均年収は約600万円〜700万円
- 二級建築士の平均年収は約450万円〜550万円
- ハウスメーカーの営業設計職で成果を出す
- 今の職場で経験を積む
- 資格を取得する
- 独立して設計事務所を開業する
- 大手ゼネコンに転職する
- 大手の組織系設計事務所に転職する
- 公務員の建築職を目指す
年収アップを目指して転職活動をするなら、転職エージェントの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
転職エージェントは、建築士のキャリアに特化した求人を紹介してくれるだけでなく、面接対策や給与交渉のサポートも行ってくれます。
年収アップを本気で目指すなら、エージェントの力を借りるのも方法の1つです。
建築士としてのキャリアを一歩前進させるためにも、まずは信頼できる転職エージェントに相談してみてください。