【体験談】芸術学部から二級建築士にストレート合格!卒業制作と両立した勉強法を聞いてみた

空間デザインについては学んだけど、構造も施工も法規にも不安がある……

建築学科じゃないと、二級建築士の試験に受かるのは難しいのかな……
建築の勉強に自信が持てなくて、二級建築士の資格取得への一歩が踏み出せない。そんな思いを抱えている方は多いのではないでしょうか。
「自分にも合格できるのかな」というモヤモヤは、実際に挑戦した方のリアルな声を聞くことで、解決の糸口が見つかるかもしれません!

そこで今回、建築アンテナでは、芸術学部の出身で二級建築士に一度の受験でストレート合格したゆめのさんにお話を伺いました。
ゆめのさん プロフィール

- 大学で空間演出デザインを学び、大学院で芸術研究科を修了。
- 学部4年生のとき、大学内で開かれた日建学院の講習に参加したことをきっかけに受験を決める。
- 大学院1年生のときに二級建築士に合格(2024年度・受験1回でストレート合格)
- 現在は福岡と鹿児島を拠点に、ディスプレイデザインの制作や子ども向け「ものづくり教室」の講師、建築関連業務をフリーランスとして手がける
話を聞いた人:建築アンテナ編集部(インタビュー実施時期:2026年7月)
大学内で開催されていた講座を機に二級建築士の勉強をスタート

――二級建築士を受けようと思ったきっかけは何だったんですか?
ゆめの:大学4年生になった頃、アートについては学んできたものの、建築の知識が足りないと感じるようになりました。
もっと建築を学びたいと思っていたとき、友人から「日建学院が大学で講習をしているから、一緒に行かない?」と誘われ、いい機会だと思って参加したのがきっかけです。
1日の授業が全部終わったあとの、17時半から21時ごろの2コマで開催されていました。
自分の通っているキャンパスでそのまま受けられたので、とても便利でした。
9月から3〜4か月ほど大学で受けて、そのあと本格的に通いたい人は日建学院に通う流れでした。
当時は「建築の道に進むには、まだ知識が足りない」という思いが強く、就職活動を後回しにして勉強を続けていました。
二級建築士の学科と製図の勉強は卒業制作と両立しながら
――受験は何回目で合格されたんですか?
ゆめの:初めて受験したときに合格しました。学科は講習も合わせて10か月前くらいから、製図は学科が終わってからなので3か月前くらいから始めました。
学科試験が終わった人は、合否が出る前からすぐ製図に取りかかるんです。「始めないと間に合わないから」と、日建学院がその流れを作ってくれていました。
――学部4年のときは、卒業制作との両立が大変だったのでは?
ゆめの:そうなんです。芸術学部は卒業制作がハードで、平日も休日もずっとやっているような状態でした。
なので建築士の講習のときは、3日に1回、2時間するかどうか、という感じでしたね。本格的に勉強を始めたのは卒業制作が終わったあとです。
そこからは毎日2時間くらい勉強時間を確保していました。
――苦手だった科目はありますか?
ゆめの:構造・施工・法規です。
芸術学部で空間デザインを学んでいたので、計画はイメージが湧いていましたが、授業で構造や施工を学んでいないのでかなり苦手意識がありました。
法令集も引くスピードが重要でした。 日建学院の法令集は、インデックスも配られてどこに線を引くかも確認できたので、取り組みやすかったです。
二級建築士の製図の相棒は「小さな三角定規」

――製図で難しかったのはどんなところでしたか?
ゆめの:学科とはまた別に、覚えることがたくさんあるんです。
製図のポイントを押さえることと、描くことに慣れるのがすごく大変でした。
試験ではスピードが大事なので、そこが一番苦労したところですね。
私が受けた年の課題はRC造の簡易宿泊施設で、断面図も詳細図も全部描かなければいけなくて。
知らないことが多くてとても難しかったです。
――描くスピードはどのように克服されましたか?
ゆめの:エスキスの練習もしましたが、とにかく描くのが遅くて。必死に同じ図面を何枚も何枚も描いて、慣れていきました。
描いた図面を重ねると厚みが数センチになるくらい。それだけ描くと「やったな」という充実感がありました。
――これから受ける人におすすめの製図グッズはありますか?
ゆめの:建築士の叔父から伝授してもらったもので、手のひらサイズの小さい三角定規がおすすめです。
大きい三角定規だと細かいところで作図の速さが確実に下がるので、スピードを上げるために小さいものを使うといい、と教えてもらいました。
実際に練習して慣れたころには、かなり作図の時間が短縮できました。
資格学校の順位表を合格までの距離を知る目安に変えて

――勉強中、挫折しそうになったときはどう乗り越えましたか?
ゆめの:挫折しそうになるタイミングは決まっていました。
日建学院では毎週末、テストがありますが、そのあとに点数と順位、合格ラインが出るんです。
そこになかなか乗れないときは、とてもモチベーションが下がりました。
そんなときは、日建学院のスマートフォンのクイズ形式のアプリで、「いまの自分なら絶対に解ける」という問題を解きながら帰っていました。
家に着くころには何問も解けていて、「勉強を始めた頃と比べたら、成長したな」「この調子でいけば合格ラインに乗れるかも」と、手応えを感じられるんです。
――順位が貼り出されるのはプレッシャーにもなりそうですが。
ゆめの:逆に、いまの自分の立ち位置がわかり、「これじゃダメなんだ」と気づけたからこそ、すごく助かりました。
落ち込むのではなく、次の一歩を測るための物差しにしていました。
二級建築士の資格が広げた働き方の選択肢

――二級建築士の資格を取って、働き方に変化はありましたか?
ゆめの:大きく変わりました。資格を取る前は「建築なんて自分にはできない」と高いハードルだと考えていて、アートの分野で活動していくことしか選択肢がなかったんです。
でも二級建築士に合格したことで、選択肢の幅が広がりました。
就職活動もして説明会や面接も受けたのですが、会社で働くよりも自由に働けるライフスタイルの方が自分には合っていると気づき、フリーランスの道を選びました。
――いまはどんなお仕事をされているんですか?
ゆめの:好きなアートの分野で活動しつつ、二級建築士の資格も活かしたいという思いで確認申請業務のサポートなどもしています。
福岡では商業施設のクリスマス装飾などをアート的な側面で手がけていて、他県では子ども向けのものづくり教室の講師をしています。
作りたいものがある子はそれを実現できるようにアシストして、迷っている子には「立体的にものを捉える力」を養えるようにレッスンを進めています。
――アートと建築、これまで学んできたことの両方がお仕事に活かされているんですね。
二級建築士の試験にこれから挑戦する人へのアドバイス
――最後に、二級建築士を受けようか迷っている人へアドバイスをお願いします。
ゆめの:建築学科の方も、私のように建築学科ではない方も、「建築士を取るのは難しい」「ハードルが高い」と感じているかもしれません。
でも、実際に勉強を始めてみると、一つひとつ積み重ねることで、着実に合格へ近づいていけます。
大切なのはセンスではなく、努力を続けることです。地道な取り組みが結果につながると信じて、合格をつかんでほしいと思います。
――建築を専門に学んでこなかった方にとっても、挑戦する勇気をもらえるお話でした。本日は貴重な体験談を聞かせていただき、ありがとうございました!


