【合格者9人に聞いた】一級建築士は独学と資格学校どっち?使った法令集のランキングも!


独学と通学、どっちの方が多いの?

一級建築士の勉強、受かった人はどの法令集使ったの?
一級建築士は、キャリアを大きく広げる国家資格です。
しかし令和6年の建築技術教育普及センターの試験結果をみると、一級建築士の合格率はなんと8.8%!
10人に1人も受からない狭き門です。
正直、一級建築士を受けるのに、独学か資格学校に通学するか、迷っている人も多いのではないでしょうか。
けれど、実際の声を見てみると、時間やモチベーション、環境を整えることが合格への近道だと語る方が多く、「効率を重視して学校を選んだ」という冷静な判断が垣間見えました。
そこで「建築アンテナ」では、一級建築士取得者にクラウドワークス上で独自アンケートを実施しました。
合格者の「勉強つらかった!けど取ってよかった!」という生の声が集まりました。しっかりお届けしていきます!!

この記事では、独学派と資格学校通学派それぞれのリアルな声と、合格者が選んだ法令集のを紹介していきます。
※1.このランキングは、クラウドワークスにて2025年1月〜3月に実施した建築アンテナの独自アンケート調査結果に基づくものです。
【アンケート結果】一級建築士試験は独学or資格学校?

今回、一級建築士を取得している方には、学科と製図、資格学校か独学かで4択のアンケートをとりましたが、結果は「学科も製図も独学」が2名、「学科も製図も資格学校」が7名でした。
資格学校を選んだ人は、全員、学科と製図をセットで受講していたことがわかります!

独学の方と資格学校の方の、それぞれの受験の感想を詳しくみていきましょう。
「学科も製図も独学」の方の感想

独学のメリットは「費用が抑えられること」。
ただし、情報収集・スケジュール管理・モチベーション維持のすべてを一人でやらなければならず、精神的にもきつかったと語る方が多くいました。

仕事と勉強を両立するのがきつくて、平日は睡眠時間を削っていました。
毎日、帰宅してから眠い目をこすりながら勉強する日々が続き、精神的にも体力的にもギリギリでした。

製図の勉強に時間がかかった。一度で受からずに何年もかかって辛かった。
独学で合格を勝ち取った方は本当にすごいということ。
勉強時間の捻出、情報収集、スケジューリング…そのすべてを一人でやりきったからこそ、合格の喜びは格別だったと思います。
また、製図試験に欠かせない製図道具一式については、こちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。

「学科も製図も資格学校」の方の感想

一方、資格学校を利用した方からは、「勉強の継続ができた」という声が多く、モチベーション維持の重要性がうかがえました。

結果的には一回で合格ができたが、学科が特に辛く初回の全国テストから最後の模試まで気を抜かずに勉強し続けて上位を維持してモチベーションを保ち続けた。
眠くても椅子に座り目標の問題数を解かなければならなかったのは非常に辛かった。

学科が苦手だったので苦労した

特に、製図の勉強に時間がかかった。

友人と全く遊べなかったのはしんどかったです。

学科は努力が点数が点数に反映されるが、製図は努力が報われないこと多々あるため苦労した。
資格学校で教わったことが逆に足を引っ張ることもあるため、精神的に辛かったです。
資格学校に通っている方は、一発合格の方もいました!

資格学校に通ったとはいえ、楽ではありません。「学校に通っても楽ではない」「製図で点が伸びず、精神的にきつかった」などの声もありました。
ただ、それでも感じたのは、「環境があることで気持ちが折れずに済んだ」という点。
資格学校は“自分を律するツール”でもあるのだと感じました。
【体験談】一級建築士取得後、キャリアにどんな変化があった?


二級取得時と比べられないくらい、一級取得後は給料が上がりました。

1番は家族が喜んでくれたこと、あとは社外に出た時に信頼してもらいやすくなった

資格手当がついて給料があがった

職場での評価が全く違い、以前の職場では昇給もできなかった。名刺交換の時など年下だが発言力が増してやっと一人前になった気がした。
また、転職もしやすく、色々な企業から声をかけられることになり、労働力不足の世の中だからかもしれないが、自分が好きな仕事を選べる立場になってくる。

転職のときの面接でいろいろ聞かれて話が続くようになった

人から認められる機会が増えた。

お客様の第一印象が格段に違うこと、また世の中の需要が高いため転職や独立がしやすくなったことです。
一級建築士の合格者9人が選んだ法令集ランキング!おすすめ3冊を比較!

一級建築士試験の法規対策に欠かせないのが「法令集」です。
二級建築士の受験のときの法令集を持っている方も多いと思いますが、他の人が使った法令集も気になりますよね。
そこで今回は、実際に試験に合格した方が使っていた法令集をもとに、おすすめの3冊を比較形式でご紹介します。
総合資格学院 建築関係法令集
総合資格学院 建築関係法令集の口コミ

文字が見やすく、付録のカラーインデックスも見やすいのでおすすめです。

読みやすいというのは勿論。平坦な言葉で記載されている

インデックスや線引きにより自分なりアレンジしやすいためお勧めです。

法令集を購入すると、アンダーラインが必要な場所がわかる、アンダーライン引き方見本というものがもらえる。
また、書店で購入する場合は、サイズにも種類があり、コンパクトなものもあるので持ち運びが楽なものが選べる
合格者は“使いやすさ”で選んでいることがわかります。
総合資格の法令集は、試験に特化した作りと実績のある定番。初学者にも安心しておすすめできる一冊です。
建築技術研究会 基本建築基準法関係法令集
建築技術研究会 基本建築基準法関係法令集の口コミ

縦書きで最初は読みづらいと感じた。
建築技術研究会の法令集を使用したという方は1人でした。試験でも実務でも使えるオレンジ本という名前で有名な法令集です。
井上書院 基本建築関連法令〔法令編〕
井上書院 基本建築関連法令の口コミ

学生時代から使っていた。その後実務でも使える
一級建築士以外に保有している資格は?

一級建築士の合格者9名に、「他にどんな資格を持っているのか?」も伺ってきました。
その結果から見えてきたのは、建築士という肩書きの“その先”を見据えたキャリア設計です。
建築・施工管理・技術系

- 第二種電気工事士:1人
- 建築設備士:1人
- 構造設計一級建築士:1人
- 建築積算士:1人
- 建築基準適合判定資格者:1人
- 一般建築物石綿含有建材調査資格者:1人
このジャンルの資格は、一言でいえば「建築士+αの技術力」を証明するものです。
たとえば構造設計一級建築士や積算士のような資格は、構造やコスト管理に特化しており、より専門的なポジションを証明する資格です。
設計一筋ではなく、施工や現場、安全管理まで視野に入れている姿勢が見えてきました。
不動産系

- 宅地建物取引士:4人
- 住宅性能評価員:1人
- 既存住宅状況調査技術者:1人
一番多かったのが「宅建士」。4人が保有していました。

宅建士は、建築士とは異なる“営業・契約まわり”に強くなる資格。
つまり、「建てること」だけでなく、「売る・説明する・評価する」といった顧客対応のスキルも磨きたいという意識がうかがえました。
また、住宅性能評価員や既存住宅状況調査技術者といった資格も、中古住宅市場やインスペクション需要を見据えて学びを続けていることがわかります。
時代に合わせたキャリア形成をしている印象です。
インテリア系

- 福祉環境コーディネーター:2人
- インテリアコーディネーター:1人
- インテリアプランナー:1人
ここでは、“使いやすさ”“快適さ”という視点に関心を持つ方が多く見られました。
福祉環境コーディネーターを2人が選んでいる点は特に注目です。
バリアフリーや高齢者対応などは、これからの時代に欠かせない知識です。
設計に“人に寄り添う視点”を取り入れたいという思いが伝わってきました。
個人的に「建築士×インテリア系」の組み合わせって、すごく素敵だと思います。

図面や構造の強さだけじゃなくて、その空間で“人がどう過ごすか”まで考えられるようになるキャリア選択ですね。
一級建築士は独学か資格学校か?まとめ

今回は、一級建築士を持っている方のアンケート結果をお伝えしました。
そして、独学、資格学校、どちらを選ぶにしても重要なのが法令集の使いこなしです。
難関の国家資格に挑んでいる皆様を、心より応援しています!!

この記事が、あなたの学習スタイルを見つけるきっかけになれば嬉しいです。
二級建築士試験の感想はこちらの記事で紹介しています。
